公開日:2026年10月6日|暮らしの相談所
画面上の残高や利益が増えていても、その数字を実際に出金できるとは限りません。金融庁は、暗号資産投資の勧誘後に資金を引き出せず、出金時に税金などの名目で高額な金銭を要求されるトラブルを注意喚起しています。偽画面は見た目だけでは判断できないため、外部で検証できる事実を照合します。
結論:利益表示ではなく「外に出せるか」「外部と一致するか」を見る
偽の取引画面は、入金額に応じて残高や含み益を増やし、取引が成功しているように見せることがあります。数字が動く、ローソク足が表示される、日本語サポートが返事をするというだけでは、実際の取引や資産保管を裏付けません。
見るべき点は、独立した市場価格との一致、注文と約定の記録、送金のオンチェーン記録、出金先への実着金、運営主体と金融登録です。相手が用意した画面の内部だけで検証を完結させないことが重要です。「増えた数字」より「自分が支配できる資産」を確認します。
危険サイン1:価格や時刻が独立した市場と合わない

暮らしの相談所|独自制作イラスト
同じ銘柄・同じ時刻の価格を、正規取引所や信頼できる価格情報と比べます。数分の遅延や取引所ごとの差はあり得ますが、値動きの方向、桁、通貨ペア、タイムゾーンが説明なく異なる場合は確認が必要です。常に利益になるよう履歴が後から書き換わっていないかも見ます。
スクリーンショットには端末時刻、銘柄、時間足、注文番号が入るよう保存します。相手に指定された比較サイトだけでなく、複数の独立した情報源で確認します。価格が一致しても、運営の安全性や出金可能性までは証明しません。価格データを借りて見た目だけ整える画面も作れます。
危険サイン2:約定履歴に相手方・手数料・注文根拠がない

金融庁公式「FX取引・暗号資産投資の勧誘にご注意」。2026年10月6日取得。
本物らしい履歴でも、注文日時、数量、価格、手数料、注文種別、約定番号が欠けている場合があります。AIや先生が自動で取引したと説明されても、誰の口座で何が約定したかを確認できなければ、単なる表示の可能性を排除できません。
履歴のCSVや明細をダウンロードできるか、同じ情報が再ログイン後も残るか、数値が勝手に変わらないかを確認します。画面を更新しただけで過去利益が増える、損失取引が消える、問い合わせると別の説明になる場合は、新たな入金を止めます。担当者が送った画像だけでなく、自分の端末で開いた画面を保存します。
危険サイン3:出金ボタンはあるのに条件が後出しされる
出金申請後に税金、保証金、信用回復費用、マネーロンダリング確認費用、口座凍結解除料を別送金で求められる手口があります。契約前の規約に根拠があるか、支払先は誰か、控除ではなく別払いが必要な理由は何かを文書で確認します。
「払えば全額戻る」「今回が最後」という説明が繰り返される場合、支払うほど被害が拡大するおそれがあります。金融庁も、出金時に税金等の名目で高額な金銭を要求されるトラブルを案内しています。追加送金前に取引所、警察、消費生活センターへ相談してください。
危険サイン4:URL・運営会社・登録表示がつながらない

暮らしの相談所|独自制作イラスト
サイト名とドメインが一致しない、会社概要の住所が実在確認できない、複数の法人名が混在する、問い合わせが個人LINEだけ、規約の連絡先が別ドメインという場合は要注意です。実在企業と同じ名称や登録番号を表示していても、公式サイトとの関係が確認できるとは限りません。
金融庁の登録一覧で名称を検索し、登録事業者の公式URLへ自分で入り直します。広告や相手から届いたリンクをそのまま使わず、ドメインを一文字ずつ比較します。登録が見つからない場合だけで詐欺を断定せず、日本向けサービスの適法性と運営実態を追加確認します。
危険サイン5:オンチェーンの事実とサイト残高が一致しない

警視庁公式「暗号資産投資詐欺に注意」の手口説明。2026年10月6日取得。
国内取引所から送ったTXIDをブロックチェーンエクスプローラーで確認し、送信先、数量、時刻、ステータスを照合します。取引が成功していても、送信先アドレスを誰が管理しているかは別問題です。サイト内の「入金済み」表示がオンチェーン資産の所有権を示すわけではありません。
サイトで利益が増えていても、その利益分の資産が外部アドレスに存在するとは限りません。出金TXIDを提示された場合は、自分の受取アドレス、通貨、ネットワーク、数量が一致するかを独立して確認します。存在しないTXIDや別人宛ての取引を見せられることもあります。
少額出金できても安全とは限らない
信用させるため、最初だけ少額出金を認め、その後に高額入金や借入を勧めるケースがあります。少額出金は一つの事実ですが、運営会社、資産管理、将来の出金条件を保証しません。出金後に「VIP昇格」「大口枠」「共同運用」へ誘導されたら判断を止めます。
評価するときは、戻った金額ではなく、累計入金、相手が得た信用、次に要求された金額、条件変更の有無を見ます。利益を確定させるための追加入金という説明は、損失回避の心理を利用しやすいため、第三者へ見せます。借入を勧められても、その場で申込みません。
偽画面を保存するときの撮り方

暮らしの相談所|独自制作イラスト
トップURL、ログイン後の残高、約定履歴、出金申請、エラーや追加請求、会社情報、規約、サポート会話を別々に保存します。画面の一部だけでなく、URLバー、日時、ページ見出し、金額の単位が分かるようにします。横スクロールがある表は全列を取得します。
動画で操作の流れを残す場合も、静止画とURLの文字列を併用します。ブラウザの開発者画面を触ったり、証拠を作り替えたりせず、原本を保持します。サイトが消える前にPDF保存や画面収録を行い、ファイル名へ取得日時を入れます。別の安全な媒体へバックアップします。
出金できないときの初動
追加送金、借入、ウォレット署名、遠隔操作を止めます。送信元取引所へTXIDと送金先を報告し、アカウントのパスワードと二要素認証を確認します。ウォレット接続がある場合は承認履歴を調べ、理解できない権限を追加しません。
相手を問い詰める前に会話と画面を保存します。警察へは接触から出金拒否までの時系列、消費生活センターへは契約・勧誘・追加請求、金融庁の窓口へは業者表示や金融サービスの情報を整理して伝えます。追跡や調査は返金を保証するものではありません。
画面を見分ける七つの質問
①外部価格と合うか、②注文・約定の根拠があるか、③出金が実着金したか、④条件が後出しされていないか、⑤運営会社とURLが一致するか、⑥金融登録を公式側から確認できるか、⑦オンチェーン記録とサイト表示が整合するかを確認します。
一つ一致しただけで安全とは言えません。逆に不一致があっても、すぐに法的な詐欺と断定せず、送金を止めて証拠を保存します。判断基準は見た目の豪華さではなく、相手から独立した資料で再現できるかです。確認を嫌がり、即時送金を迫る態度も記録します。
計算・出金条件・アプリ情報を照合する
画面検証では、利益率の計算も確認します。元本、入金日、表示利益、手数料、為替レートを使って自分で計算し、画面の数値と合うかを見ます。短期間で高率の利益が表示されても、計算式や取引根拠が示されないなら、数字の見た目に判断を任せません。
出金申請画面では、申請番号、申請日時、出金先アドレス、ネットワーク、数量、手数料、ステータスを保存します。「処理中」が長期間続く場合、いつまでに何が行われると規約に書かれているかを確認します。サポートが口頭で説明した期限だけではなく、申請時の条件を残します。
サイトのアプリが公式ストアにあっても、それだけで安全性を保証しません。提供者名、プライバシーポリシー、サポートURL、更新履歴を確認し、ブラウザ版と運営表示が一致するかを見ます。外部配布ファイルや構成プロファイルを入れるよう求められた場合は操作を止めます。
偽画面を調べるために再入金する必要はありません。少額テスト送金を相手の指示で行うと、新たな被害になる可能性があります。自分の管理下にある受取先へ出金できるかは重要ですが、確認方法は取引所や専門家へ相談し、相手の条件に従って資金を追加しません。
原本保存と通貨単位を確認する
保存した画面は、ファイルの作成日時とハッシュを記録すると、後から同じ資料を示しやすくなります。加工版を作る場合は原本と分け、公開用に個人情報を伏せた画像で原本を上書きしないでください。URLが長い場合はテキストファイルにも保存します。
残高の通貨単位にも注意します。円、米ドル、USDTが同じ記号や曖昧な表示で混在すると、利益額を大きく見せることがあります。基準通貨、換算レート、換算時刻、端数処理を確認し、画面表示を自分で計算します。
ボーナス表示と証明バッジを分ける
キャンペーン残高、ボーナス、信用枠、借入枠が自己資金と合算表示される場合があります。出金できる現物資産と、条件付き表示額を分け、ボーナス消化条件やロック期間が契約前から示されていたか確認します。
取引画面に有名メディアのロゴ、受賞歴、監査済み、準備金証明などが表示されても、リンク先と発行主体を確認します。画像だけのバッジや検証不能な証明書は、第三者による裏付けとは言えません。
KYCと検索結果は公式窓口で確認する
サポートが出金不能をKYCの不備だけで説明する場合、提出済み書類、再提出理由、審査期限、必要項目を記録します。本人確認自体は正規サービスでも行われますが、解決基準を示さず再提出を繰り返す状況は追加確認が必要です。
画面のエラーコードや表示文言を検索するときは、検索結果に出る返金業者や偽サポートへ連絡しないでください。正規事業者の公式ヘルプ、公的注意喚起、登録情報を優先し、相手が指定した電話番号やチャットだけに依存しません。
参考情報・免責
本記事は金融庁「FX取引・暗号資産投資の勧誘にご注意」「オイシイ投資話にご注意」と警視庁「暗号資産(仮想通貨)の投資詐欺に注意!」を基に、偽画面の確認方法を暮らしの相談所が独自に整理したものです。特定サイトの違法性、資産の実在、犯罪成立、回収可能性を個別に断定しません。暗号資産の価格変動による損失と、虚偽表示・出金妨害・追加請求を区別して相談してください。
暮らしの相談所








