仮想通貨の詐欺に遭ったとき、相談できる窓口はひとつではありません。警察、消費生活センター、金融庁、弁護士、そして当協会のような相談窓口。それぞれ「できること」が違うため、目的に合わない窓口に行くと、たらい回しのように感じてしまいます。この記事では、主な相談先の役割と、どの順番で使うとよいかを整理します。
相談先の一覧と、それぞれの役割
警察相談専用電話「#9110」・サイバー犯罪相談窓口
被害届の相談、刑事事件としての捜査の入口です。緊急でなければ110番ではなく#9110へ。各都道府県警察にはサイバー犯罪の相談窓口もあります。国内の口座に振り込んだ場合は、口座凍結のために早めの連絡が重要です。海外の業者が相手だと捜査が進みにくいことは、あらかじめ知っておいてください。
消費者ホットライン「188」・消費生活センター
契約や勧誘のトラブルとしての相談ができます。事業者への働きかけや、状況に応じた他の窓口の案内が受けられます。「詐欺かどうか分からない」段階でも相談できます。
金融庁・金融サービス利用者相談室
無登録の業者による勧誘や、暗号資産の取引に関する相談を受け付けています。相手が金融庁に登録された事業者かどうかは、金融庁のサイトで公開されている一覧で確認できます。
弁護士(法テラス・弁護士会の相談窓口)
返金請求や法的手続きを検討する場合の窓口です。法テラスでは、収入などの条件を満たすと無料の法律相談が受けられます。依頼する場合は、着手金の額と「取り戻せる見込み」を必ず先に確認してください。
取引所のサポート窓口
仮想通貨で送金した場合、送金元の取引所に相談することで、送金先の追跡や関係先への通報につながることがあります。偽サイトにログイン情報を入力してしまった場合は、正規の取引所に連絡して、パスワードや二段階認証の設定を変えてください。
当協会(暮らしの相談所)の無料相談
「どこに相談すればいいか分からない」「相談した相手が信用できるか不安」という段階のご相談を受けています。状況を整理し、上の窓口のどこに何を持っていくべきかを一緒に考えます。当協会は有志のボランティアによる任意団体で、相談は無料、匿名で構いません。特定の業者を紹介したり、回収を請け負ったりすることはありません。
どの順番で相談するとよいか
- 証拠を保存する: 相手とのやり取り、送金の記録、サイトの画面。相談の前に、まずこれを済ませてください。
- 国内口座に振り込んだ場合は、すぐに警察(#9110)と振込先の銀行へ: 口座凍結は時間との勝負です。
- 仮想通貨で送金した場合は、送金元の取引所へ: 送金先のアドレスを伝えて相談します。
- 「詐欺かどうか分からない」「相談先に迷う」場合は、当協会か消費生活センターへ: 状況を整理してから、必要な窓口に進みます。
- 返金請求を本格的に検討する場合は弁護士へ: 相手を特定できる見込みがあるかどうかを、依頼前に確認します。
相談するときに手元に用意するもの
- 相手のサイトのURL、業者名、担当者の名前(名乗っていた名前でよい)
- 送金した日付、金額、送金方法(銀行振込・取引所からの送金・カードなど)
- 送金先の口座情報またはウォレットアドレス
- 相手とのやり取りの記録(スクリーンショットや保存したトーク)
- これまでに相談した窓口と、そこで言われたこと
すべて揃っていなくても相談はできます。「分かる範囲」で構いません。
相談先を選ぶときの注意
「相談無料」「返金保証」「即日回収」といった言葉で検索結果の上位に出てくる事業者の中には、被害者から着手金や調査費用を集めることを目的にしたところも報告されています。次の点に当てはまる相手は、契約の前に第三者の窓口で確認してください。
- 返金の前に、まとまった費用の支払いを求める
- 「必ず取り戻せる」「回収率〇〇%」と断言する
- 会社の所在地や責任者が確認できない
- LINEやSNSのやり取りだけで契約を急がせる
当協会には、最初の詐欺よりも、このあとに依頼した業者に払った費用の方が大きかった、というご相談も寄せられています。
よくある質問
家族に知られずに相談できますか
当協会への相談は匿名で構いません。警察や消費生活センターも、相談の段階で家族に連絡が行くことはありません。
被害額が小さくても相談していいですか
はい。金額にかかわらず相談できます。小さな被害のあとに「回収します」という二次被害が続くことも多いので、早めに状況を整理しておくことをおすすめします。
相談したら何が起きますか
当協会の場合は、状況をお聞きして、できることとできないことを整理し、次に進む窓口を一緒に決めます。それ以上のことを勝手に進めることはありません。
迷っている時間が長いほど、取り得る手段は減っていきます。まずはご相談ください。
暮らしの相談所




